友達に勧められて購入.
概要
統計学の「理論を無視して関連性が分かる」という優位性について, 具体例を交えて論理的に紹介.
人々をコレラから救ったのは医学ではなく統計学.
統計学ではデータの収集方法と解析が重要.
得られた結果がバラツキの範囲内なのか, それとも実際に関連性があるといえるのか. その確率は算出可能であり, そういった観点で結果を正しく判断しないと無意味な行動につながってしまう.
収集するデータは偏ってはいけない.
ランダム性の重要性と難しさ. ランダム化の3つの壁(現実, 論理, 感情)
ランダム化が困難な場合, 真に知りたい値(真値)との誤差を算出することで適切な判断が可能になる.
エビデンスのヒエラルキー
(系統的:自分に都合の良い検証を避けるという意味)
知識は積み上げであり, 先人の出した答えはWebに公開されている. 正しく賢く活用しよう.
キーワード:ランダム化比較実験, 標準誤差, カイ二乗検定, 回帰分析, 一般化線形モデル, シンプソンのパラドックス, 重回帰分析, ロジスティック分析, 傾向スコア, EBM
感想
初耳の単語が多かったけど, がっつり理論ではないので読みやすかった.(高専で授業受けてたけど…..)
具体的にこのような場合はどのようにデータを採取して解析して判断したらいいのか, というところまで書いてあって分かりやすい. (慣例的には5%以下だと関連性高いと言って良い. とか)
あと, この本からは全体を通して”賢く生きよう”というメッセージも受け取った.
ニュースや政治とかいろんなところでデータは使われるけど, わりと当人の都合の良いように解釈されていたり, 都合の悪い情報を見えないようにしたり, 騙されてはいけないなと改めて思った. ”専門家の意見”はエビデンスのヒエラルキー的には最下層で, 本当に正しい情報を知りたいなら論文まで読まないと.
いま作っているサイトは情報整理を目的としているので, 活かせそうな気がする.
西内さんの書籍は初めてだったけど, 言葉選びがすごく的確だなと思った.
統計学がいかに効果的なことは分かったけどいざ使うとなっても使えるか微妙なので, 必要になったら深掘りしてみようと思う. ほぼ知らなかった統計学の重要性と必要性を知るキッカケになったいい本でした. 必須教養.